メンズ用宝飾系メーカーの腕時計について

(目次)

  1. 宝飾系メーカー
  2. カルティエ(タンクMC)
  3. カルティエ(カリブル ドゥ カルティエ)
  4. 最後に・・・

     


1.宝飾系メーカー

一般的にメンズ用腕時計といえば、

ロレックス、オメガ、タグ・ホイヤーなどを

思い浮かべる方が多いと思います。

これらのメーカーは時計専門メーカーであり高品質である事は

間違いありません。

一方、宝飾系時計メーカーのイメージは?

女性用であったり時計メーカーでないからちょっと・・・など、

あまり気にしていない男性は多いのではないでしょうか。

たしかにそのイメージはあながち間違ってはいないと

思います。

宝飾系メーカーの中には、デザイン性のみを追及して、

中身の方は他社製の低スペックムーブメントである

事も珍しくないからです。

しかし、宝飾系メーカーの中には、

高級時計専門メーカーと比較しても相違ない程の

高い技術力と信念を持つメーカーも存在します。

そこで今回は、宝飾系メーカーであるカルティエ

おすすめ男性用時計をご紹介したいと思います。

 


2.カルティエ(タンクMC)

タンクシリーズと言えば、クラシック調のカルティエ

定番モデルの1つです。

「タンクソロ」や「タンクフランセーズ」など

多くのモデルが存在しますが、

その中の「タンクMC」は、

2013年に誕生したばかりのモデルです。

MC」というのは、「マニュファクチュール・カルティエ」の

頭文字をとっています。

そう、自社製ムーブメント搭載のタンクなのです。

時計好きの中には自社製を意識されている方も多いと思います。

自社製=技術力の高さを示している事も多く、

時計を選ぶ上での1つの指標となるからです。

「タンクMC」以前のタンクシリーズではほとんど

他社製ムーブメントを使用しており、

タンクMCでは、「Cal.1904-PS MC」というカルティ初の

自社製量産型ムーブメントを搭載しています。

名称に自社製です!とアピールするほどなので

カルティエの自信の程が伺えます。

ケースサイズは少し大きめの44.0×33.3mmであり、

シースルーバックのケース裏から見える美しいムーブメント、

そしてギョーシェ仕上げの文字盤など、カルティエらしく

細部までこだわっている事がわかります。

レザーベルトという事もあり、主にビジネスシーンでの

活躍が予想されますが、少しカジュアルなジャケットスタイル

にもマッチするので普段使いにも問題なく使用できそうです。


3.カルティエ(カリブル ドゥ カルティエ)

カルティエと言えば、洗練されたクラシカルな

デザインが多いのが特徴ですが、

近年発表された「カリブル ドゥ カルティエ」は、

カルティエ初のメンズ専用モデルでもあります。

メンズ専用のモデルは今まで存在していなかったため、

パッと見ただけで今までと様子が違うのがわかります。

カルティエお得意のクラシカルな感じを残しつつ、

男性的なスポーティーさと力強さを兼ね揃えたデザインに

仕上げられており、時計に詳しい方でない限り

「えっ!それ、カルティエ?」なんて言われそうです。

ベルトタイプは、革ベルトとステンレスブレスレットタイプがあり、

ビジネスシーンとカジュアルな普段使いとを

使い分ける事ができます。

スポーティで有りながら革ベルトがマッチする所なんかも

カルティエらしいですね。

むしろカルティエだからこそと言った方が良いかもしれません。

そして、タンクMC同様自社製ムーブメント

Cal.1904-PS MC」搭載モデルでもあります。

カリブルシリーズにはダイバーズモデルも存在しています。

タンクシリーズやパシャシリーズと同様に

メンズモデルとしての1つのジャンルを築き上げようとする

意気込みが伺えます。


4.最後に・・・

私独自の見解にはなりますが、カルティエは、

他の宝飾系メーカーと比べても

腕時計に関する熱意のようなものを感じ、

デザイン・機能共に頭一つ抜けているように思えます。

近年は男性用にも力を入れているのは一目瞭然なので、

今後さらに素晴らしい時計を世に送りだしてくれるのでは

ないでしょうか。

ブレゲとマリー・アントワネット

(目次)

    1. マリー・アントワネット
    2. 工房を訪れた謎の人物
    3. 制作から完成するまで
    4. No.160 マリー・アントワネット
    5. 盗難とレプリカ


1. マリー・アントワネット

マリア・テレジア(オーストリアのハプスブルク家)の娘であり、

フランス国王ルイ16世の王妃である。

美貌を持ち、性格はわがままであったとされる彼女だが、

国家財政を傾かせる程の浪費家であったと言われており、

その豪華ぶりは民衆から反感を買うほどであった。

しかし、近年では彼女が国家を追い詰めるほどの

浪費家であったかどうかの証拠は残っていないとも言われている。

無実の詐欺事件として有名な首飾り事件など波乱万丈の人生を送り、

悲劇の王妃と言われた彼女に捧げるはずであった時計とは

いったいどのようなものなのか・・・


2. 工房を訪れた謎の人物

ある日、パリのシテ島にあるケ・ド・ロルロージュの工房へ

マリー・アントワネットの使者と称する謎の人物が訪れる。

そこで、宮廷時計師であるアブラアム=ルイ・ブレゲに対して、

王妃に捧げるための最高の時計を作って欲しい。

制作するための費用と時間に制限はない。

その代わりに、最高の技術を使った複雑機構を多く取り入れ、

かつゴールドを多く使った最高の時計を作って欲しい、

という依頼を出したのだ。


3. 制作から完成するまで

依頼を受けたブレゲが時計制作を始めてしばらくして・・・

貴族や聖職者などの特権身分の豪華な生活とは裏腹に

度重なる増税に苦しむ民衆、あげくの果てに小麦の不作による

パンの価格高騰により、民衆の怒りは最高潮に達していた。

そう、フランス革命の勃発である。

1789年のバスティーユ牢獄の襲撃をきったけに起きた

フランス革命により悪の根源とされた王妃はコンコルド広場にて、

ギロチンにより処刑され、この世を去る事になる。

王妃は処刑の際、恐怖している様子やや怯える様子も一切みせず、

凛とした姿勢であったと言われている。

王妃がこの世を去った後も、ブレゲは制作を続けるが、

そのブレゲ本人も完成前になくなってしまう。

ブレゲの死から4年後、

依頼から44年後の1827年に世界最高の時計である「No.160」

通称「マリー・アントワネット」は完成することとなる。


4. No.160 マリー・アントワネット

44年の月日を費やし、

あらゆる最高の技術と素材を用いた世界最高の時計と言われる

「No.160」には、次のような機構が搭載されている。

(主な機構)

  1. ペルペチュエル ※ムーブメントに用いる自動巻き機構
  2. ミニッツリピーター
  3. パーペチュアルカレンダー
  4. パワーリザーブ
  5. スプリットセコンド
  6. イクエーション・オブ・タイム
  7. サファイアを軸として使用
  8. 透明のクリスタル文字盤を使用
  9. 純金やサファイアを各部品に使用

いずれも現代の高級時計に多く取り入れられている

ものばかりです。

制作時点では、トゥールビヨンは存在していません。
正確には、受注後しばらくしてからの発明であり、
超複雑機構であるトゥールビヨンを搭載するには、
ゼロからやり直す必要があったため搭載しなかった。


5. 盗難とレプリカ

1983年にエルサレムの美術館から盗まれる事件が起きる。

ほどなくして、スウォッチグループのCEOである

ニコラス・G・ハイエックは、

ブレゲにレプリカの制作を依頼し、幻のNo.160の再現

プロジェクトが開始される事となる。

しかし、プロジェクトは困難を極めた。

なぜなら、古いデッサン資料ぐらいしか情報がなかったのだ。

パリ国立工芸学院ミュージアムなどの協力を得た事により、

再現を果たすことに成功する。

時計を収める化粧箱には、当時マリー・アントワネットの憩いの場であった

ヴェルサイユ宮殿のオークの木が用いられた。

このレプリカは今、ブレゲの本社に保管しており、

今後、販売する予定も2本目の制作予定もないとの事です。

ブレゲの最高傑作「No.160」は、

時計史上最も価値のあるものの1つとして数えられます。

これだけのドラマを織りなす時計は、

この先、二度と現れないかもしれません・・・

一生に一度はこの目で見てみたいものです。

ブレゲが残した功績

(目次)

  1. 歴史
  2. 人物像
  3. 功績 トゥールビヨン
  4. 功績 パーペチュアルカレンダー
  5. 功績 ブレゲ針
  6. 功績 ギョーシェ彫り
  7. 功績 ミニッツリピーター用ゴング
  8. 最後に・・・


時計の歴史上一番の偉人と言えば?

時計に詳しい人なら「アブラアン・ルイ・ブレゲ」だと

答えるだろう。

彼がいったい何を成し遂げたのか?

それが世界にどのような影響を与えたのか?

歴史を辿りながら見てみようと思う。


1.歴史

創業 :1775年

創業者:アブラアン・ルイ・ブレゲ

創業地:フランス パリ

元々は、貴族御用達の時計職人であり、

かの有名な「マリー・アントワネット」や「ナポレオン・ボナパルト」

を顧客に持つほどの名門である。

ブレゲ一族の経営が途切れた際に歴史も途切れているが、

1970年にマリー・アントワネットの宝石商でもあったショーメが

ブレゲの商標を買い取った後、ダニエル・ロートの手によって

見事に復活を果たしている。

1999年にスウォッチに買収されて今に至る。


2.人物像

15歳の時にスイスからフランスパリに渡り、

パリやヴェルサイユで時計職人としての

修業を始めた天才ブレゲだが、この時に

物理学や天文学等の素養も習得し、これらが後の発明にも

しっかりと生かされいる。

後に、その多彩な才能によってパーペチュアルカレンダー

トゥールビヨン等の革新的技術を発明するまでになり、

時計界のレオナルド・ダヴィンチとも言われた人物である。

ブレゲの数々の発明は、時計の歴史を200年進めたとも

言われており、現在の時計技術の70%は

彼の理論が元になっていると言われています。


3.功績 トゥールビヨン

トゥールビヨン脱進機の発明は、

現在に至っても時計技術の最高峰と言われる程、

偉大な発明である。

トゥールビヨンは「渦巻き」を意味しており、

重量分散装置の事です。

通常時計は姿勢により一方向に重力がかかる事が多く、

その影響により、部品の摩耗や時間の進み具合に変化が

生じてしまいます。

その影響を限りなく少なくするために、

簡単に言うとムーブメントを回転させて

一方向だけに力がかかる事を防ぎ、

分散させてしまおうというものです。


4.功績 パーペチュアルカレンダー

通常の時計は、1年の中で30日と31日の月の区別がつかず、

2月の日数がわからないため、日付を手動で合わせる

必要があります。

しかし、ブレゲの発明したパーペチュアルカレンダーは

これらを自動修正する事ができるため、

日付合わせが必要ないというものです。

トゥールビヨン同様に現在でも複雑機構の

最高峰技術として知られており、

パテック・フィリップ等のメーカーでも使われている技術です。


5.功績 ブレゲ針

先端が月のようになっており、高い視認性を実現しています。

現在でも他メーカーで使用されています。


6.功績

・ギョーシェ彫り

文字盤に、規則的なパターンのデザインを彫り込む手法で、

光の反射等を軽減させ、より視認性の高い文字盤となります。

現在でも高級時計の文字盤はギョーシェ彫りが

施されている事が多くあります。


7.功績 ミニッツ・リピーター用ゴング

それまでは、ハンマーが直接ケースを叩いていたのですが、

ゴングをムーブメントを囲むように配置する手法を取り、

これにより綺麗な音色を奏でる事ができるようになりました。


8.最後に・・・

どうでしょうか。

これまで紹介してきたものは、ブレゲを知る上でほんの一部分であり、

まだまだブレゲが残した功績はたくさんあります。

トゥールビヨンやミニッツリピーター搭載の時計なんかは

軽く数千万円するのも珍しくなく、そのような

高度な技術を発明したブレゲってすごいですね。

時計好きの方であればいつかは手にしたいと

思うのではなでしょうか。